[社長コラム]Y'sMessageY's Message

コロナ禍とカビ被害(2)

meijiclix
8月 3rd, 2021

 昨年の6月位からコロナ対策として施設の正面ドアや開放できる窓(学芸室や職員室、図書館なら閲覧室)を開けて換気をしておられたと思います。現在も少し開けておられるかもしれません。一般の建物は基本的にやや陰圧気味になるように設定されています。従って外部に通じるドアや窓を開けるだけで外気が少しずつ流入します。もちろん夜間も雨の日も同様です。その結果多くの湿気が建物内に流入することになり、この湿気た重たい空気はやがて地階に集まります。その結果、地階にある図書室等においてカビ被害が発生いたしました。

 空調も運転していましたが残念ながら及びませんでした。むしろ吹き出し口付近の棚では温かく湿った空気と空調からの冷気が触れて湿度が上昇してしまい資料にカビが発生したケースもありました。

 また地階はカビの栄養となるホコリが溜まり易い場所でもあります。カビの胞子や菌糸は単独で浮遊しているだけでなく栄養となるホコリと一緒に浮遊しています。従ってホコリが多いとは「カビの胞子も栄養も多く」、カビ発生のリスクも高いということになります。

 地下は紫外線や熱等の外気の影響を受けにくいものの、一方で湿度が高くなり易くホコリも多く集まり易いのでカビに注意が必要です。ご承知のようにカビは「湿度60%」以下にすることで防ぐことができます。データロガーでの温度湿度測定とこまめな清掃(ホコリ除去)を是非お勧めいたします。

 次回は文化財に発生するカビとその処理についてお話します。

コロナ禍とカビ被害

meijiclix
7月 1st, 2021

 

 私のコラムでは様々な被害や対策の事例をご紹介しなが資料保存のヒントをご提供したいと思っています。さて、コロナ禍で多くの図書館ではカビの被害が急速に増えています。昨年の春、ほとんどの図書館は閉館していました。その後夏にかけて一部では開館しました。その際にコロナ対策として窓を開放するなどして積極的に換気が行われました。その結果湿度の高い空気が図書館内に大量に入り込むことになります。数か月間の閉館による空気の停滞、その後の高湿度の外気流入によりカビが図書に次々に発生したのです。
 ところで一口に“カビ”と言いますが本に生えるカビとお風呂に生えるカビは違う種類です。カビの中でも比較的乾燥に強い種類を「好乾性のカビ」と言い、本や木材に生えるカビがこれにあたります。一方でお風呂などの高湿度の環境下で生えてくる種類を「好湿性のカビ」と言います。クロカビがその代表例です。このようにカビは湿度条件によって発生する種類が異なります。図書に発生する「好乾性のカビ」は湿度65%(あるいは70%)以上から発生します。適温は25℃前後です。この湿度65%・気温25度前後の環境は人間にとっても大変快適です。つまり気づかないうちに、いつの間にかカビが生えていることが多いのです。書庫内には空気の偏りもあることを考慮しなくてはならず、実際の湿度管理は「60%を上限」をお勧めしています。湿度さえコントロールできていればカビは発生しませんし、もちろん防カビ剤等の薬も必要ありません。
 次回からは具体的な事例をご紹介したいと思います。まず図書館の建物の入り口を開放していた為にカビ被害にあった事例です。これが原因で複数の館がカビ被害にあっています。

はじめまして、吉川です。

meijiclix
7月 17th, 2020

弊社のHPを全面リニューアルいたしました。これを機に、お得意先はじめ、美術館、図書館関係者のみなさまに向けてメッセージを発信するページを設けました。よろしくお付き合いください。

このコラムでは2つのテーマでお話ししたいと思います。

先ず一つ目は各施設様の文化財IPMの取り組みをご紹介したいと思います。私たちは「なるべく薬剤を使わないで、手を掛け目を掛けした文化財保存」のお手伝いをしたいと思っています。既に多くの文化財施設で文化財IPMの考え方が取り入れられていますが、特にIPMメンテナンスの重要性をご理解いただき定期的に実施されている施設様が徐々に増えてきていることは大変喜ばしいことだと思います。しかし、一方で収蔵庫自体に問題が無いに関わらず毎年定期燻蒸を継続される施設が今もあります。各施設様の事情等も可能な限りご紹介しながら皆様と一緒に考えていきたいと思います。

もう一つのテーマは図書の生物被害の問題です。

カビやムシによる被害が全国的に拡がっています。特にカビ被害の拡大は年々酷くなっています。カビの理解、処理薬剤の選択、環境整備等、処理・再発の防止には多岐に渡る知識と経験が必要です。また昨今は風水害による水濡れやカビの問題も大きく注目を集めました。これには知識と経験に加えスピードやマンパワー、必要な機材も要求されます。全国の図書館様の事例をご紹介しながらこのテーマも皆様と一緒に考えていきたいと思います。