この数年で、「総合的に有害生物を管理する」という文化財IPMの考え方は広く知られるようになりました。
燻蒸処理が主流だった文化財保存から、薬剤だけに頼らず複数の手段を組み合わせてムシやカビ等の生物被害を防除する時代へ、確実に変化していると思われます。
燻蒸処理をいきなりゼロにするのは難しいかもしれませんが、被害が減れば燻蒸の機会もガスの量も減らしていけます。
それが結果的に保存コストの削減にもつながります。
ただ「本当に守れるのか?」「導入の仕方がわからない」という声があるのも事実です。
このコンテンツでは、文化財IPMの全体像や導入の流れなどを解説していきたいと思います。