全国から 問い合わせが 来ております。 貴館の図書は 大丈夫 でしょうか?

カビ被害が 急増している 3つの原因

予算の面からエアコンで温湿度管理をする図書館が増えてきましたが、エアコンでは図書・資料の保存に求められる湿度管理には不十分です。一定以下の温度になると十分に除湿ができなくなり、吹き出し口の近辺からカビが発生するケースがあります。さらには省エネ対策で設定温度を高くしていることも原因のひとつです。

空調機器のイメージ

東日本大震災の後、全国の図書館で耐震工事や建替えが加速しました。耐震は主にコンクリートの壁を追加する工事です。一連の工事によって書庫内の通気性が悪くなり、しかもその壁自体が湿気を含んでいたこともありカビが発生しやすい環境を作ってしまいました。また工事に備えて図書を避難させる際、ホコリを除去せずに段ボールに詰めたことがカビの原因になったケースも見受けられます。

耐震工事基礎のイメージ

カビ被害が深刻になる原因に「発見の遅れ」があります。予算の削減で図書のカビ・ムシ点検作業が指定管理者制度の契約に入っていなかったり、図書点検が機械化されて目視点検の機会が少なくなったこともカビの発見が遅くなる一因と考えられます。他にも、利便性向上のために閲覧スペースと書架の境がなくなったり、足音がしないタイルカーペットの導入も、仕方がないこととはいえカビの原因になります。

書庫のイメージ

高い技術、 深い知識、 豊富な経験。 図書館の カビ被害にも 文化財IPMの 考え方で 取り組みます。

お問い合わせからの流れ

被害状況の調査

1)カビの発生範囲と被害程度の確認

カビの発生状況を調べるには、必ずLEDライトを使用してまずは図書の天を調べ、その後も背、表紙、小口の順に正しく光を当て、被害のランク分けや発生エリア分析を行い、被害図書数をカウントします。

被害程度の確認をする写真

今までカビ被害対策として定期的に燻蒸処理をされてきたのか、あるいは消毒用エタノールでの清拭をされてきたのかでも被害程度を判断しています。

2)被害状況を総合的に判断

なぜカビが発生したのか、「湿度」「ホコリ」「温度差」を調べ、さらにカビの被害状況と空間の関係を重ね合わせて被害状況を総合的に判断します。

カビの分析の写真

図書館のカビはその土地由来のカビですので、細かく分類することが大切です。この工程も明治クリックスは自社で行いますのでコストや時間を抑えることができます。

採取されたカビの写真
標本:アスペルギルス・レストリクタス
アスペルギルス・レストリクタス
標本:ユーロチウム属
ユーロチウム属
3)カビの特定

カビの種類によって発生条件や処理方法が変わるため、カビを現場で採取して、培養、そして生物顕微鏡で同定します。 図書館のカビはその土地由来のカビですので、正しく同定することが大切です。カビの特定により、環境整備と処理の対策が決まります。この工程も明治クリックスは自社で行いますのでコストや時間を抑えることができます。

4)カビの発生原因の追及

相対湿度を60%以下にキープできている環境ではカビは生育せず、湿度が65%以上になるとカビ被害が出てきます。湿度が上がった原因を見極めることが拡大防止・再発防止に繋がります。空調が原因なのか、あるいは建物の構造、地理的要因、施設の運用上(窓・扉の開放、清掃の有無)の問題、寄贈や購入した受入れ図書のルールの不備にあるのかをヒアリングや実際の現地調査で判断します。

報告書の作成・お見積り

被害状況、カビの同定結果、環境整備方法、処理対策など調査結果を報告書にまとめて、担当者の方、場合によっては館長様も交えてご説明させていただきます。これまで弊社が実施しました他の図書館の処理時の画像を紹介しながらイメージを掴んでいただきます。合わせて、処理に係る概算費用をお見積もりいたします。

講習会の開催

弊社によるカビ被害処理に取り掛かるまでの間に、被害図書の利用請求があるかもしれません。カビのついた図書が寄贈されることもあります。その場合、職員の方が本をクリーニングする必要がありますので、そのための講習会をご提案します。講習会には有償と無償がありますが、緊急の講習会の場合は無償で開催させていただいております。

処理の実行

明治クリックスは、これまでご依頼いただいた多くの施設様から、処理の正確さ、丁寧さ、そしてカビを再発させないことで高い評価を頂戴しています。その理由は、[1]でご説明した調査や点検の厳しさ、納品時の仕上がりにあります。技術者のカビに対する知識と経験が、正しいカビ調査、処理、再発防止を可能にします。また、弊社では、図書はもちろん棚板の一枚一枚から床に至るまで徹底した図書館のIPMメンテナンスも実行しています。

処理中の写真
処理中の写真
処理中の写真
処理中の写真

アフターフォロー

3か月後及び6か月後に生物被害の再発が無いかアフターフォロー点検を実施しています。基本的に、湿度環境が整備されていれば再発はありませんし、これまで再発が確認された例もありません。