1)カビの発生範囲と被害程度の確認
カビの発生状況を調べるには、必ずLEDライトを使用してまずは図書の天を調べ、その後も背、表紙、小口の順に正しく光を当て、被害のランク分けや発生エリア分析を行い、被害図書数をカウントします。
今までカビ被害対策として定期的に燻蒸処理をされてきたのか、あるいは消毒用エタノールでの清拭をされてきたのかでも被害程度を判断しています。
2)被害状況を総合的に判断
なぜカビが発生したのか、「湿度」「ホコリ」「温度差」を調べ、さらにカビの被害状況と空間の関係を重ね合わせて被害状況を総合的に判断します。
図書館のカビはその土地由来のカビですので、細かく分類することが大切です。この工程も明治クリックスは自社で行いますのでコストや時間を抑えることができます。
3)カビの特定
カビの種類によって発生条件や処理方法が変わるため、カビを現場で採取して、培養、そして生物顕微鏡で同定します。
図書館のカビはその土地由来のカビですので、正しく同定することが大切です。カビの特定により、環境整備と処理の対策が決まります。この工程も明治クリックスは自社で行いますのでコストや時間を抑えることができます。
4)カビの発生原因の追及
相対湿度を60%以下にキープできている環境ではカビは生育せず、湿度が65%以上になるとカビ被害が出てきます。湿度が上がった原因を見極めることが拡大防止・再発防止に繋がります。空調が原因なのか、あるいは建物の構造、地理的要因、施設の運用上(窓・扉の開放、清掃の有無)の問題、寄贈や購入した受入れ図書のルールの不備にあるのかをヒアリングや実際の現地調査で判断します。
被害状況、カビの同定結果、環境整備方法、処理対策など調査結果を報告書にまとめて、担当者の方、場合によっては館長様も交えてご説明させていただきます。これまで弊社が実施しました他の図書館の処理時の画像を紹介しながらイメージを掴んでいただきます。合わせて、処理に係る概算費用をお見積もりいたします。
弊社によるカビ被害処理に取り掛かるまでの間に、被害図書の利用請求があるかもしれません。カビのついた図書が寄贈されることもあります。その場合、職員の方が本をクリーニングする必要がありますので、そのための講習会をご提案します。講習会には有償と無償がありますが、緊急の講習会の場合は無償で開催させていただいております。
明治クリックスは、これまでご依頼いただいた多くの施設様から、処理の正確さ、丁寧さ、そしてカビを再発させないことで高い評価を頂戴しています。その理由は、[1]でご説明した調査や点検の厳しさ、納品時の仕上がりにあります。技術者のカビに対する知識と経験が、正しいカビ調査、処理、再発防止を可能にします。また、弊社では、図書はもちろん棚板の一枚一枚から床に至るまで徹底した図書館のIPMメンテナンスも実行しています。
3か月後及び6か月後に生物被害の再発が無いかアフターフォロー点検を実施しています。基本的に、湿度環境が整備されていれば再発はありませんし、これまで再発が確認された例もありません。